仮面ライダーTHE FIRST の頃① 「やや不安」
おもちゃを売らなくていい キャラクターもの
そして 映画である。
これはこの企画の話を伺った時 僕が意識した裏テーマです。
どういう事かというと 僕が長く関わってきたレンジャーものなどは
大前提で子供番組(当たり前ですが)、おもちゃ屋さんがスポンサーである事を
良い意味でも 悪い意味でも意識して作ってきました。
が、今回は映画。作品自体が面白くてヒットしなければならない(コレも当たり前ですが)
仮面ライダーといえば 日本を代表する実写キャラクター。
僕の中では 規模は違えど「スパイダーマン」や「バットマン」を意識して
「ちゃんとしたアクション映画にしよう」と仕事に取りかかったのを覚えております。
また 責任ある立場での初の東映撮影所の映画。東映はアクション映画の老舗、
「これは歴代のアクション監督と比較されるだろうなあ...」という意識もありました。
そうそう ベテラン長石監督とも「初めまして」の仕事。
うん スタッフ陣は初めましての方が多かったです。
ややプレッシャー。ですが 考えても仕方ないので リハーサルをたくさんする事にしました。
一号に前田さん、怪人に大橋君、荒川マン、ババチンと安心メンバーの中
最大の不安要素は 実は2号役のマーク武蔵でした。
何故なら マークはコレまで「お面をかぶった事がない」だったからです。
初めてお面をかぶると誰でも思ったようには動けないものです。
何せ見えません。不安です。出来る技が出来なくなる、でも人間以上に強いヒーローを演じなければならない。まじめなマークちゃんがこの仕事が嫌になってしまうのではと不安でした。
なので 「マークのシーンは時間をかけて撮れば良いや」作戦にきりかえました。
従来 キャラクターものは、プロのスーツアクターが文字通りプロの技&芸でポンポン撮影していくものだけど 「誰でも初めてはある!」「マークはそれ以上にすごい技を持っている」
と何度も心に思い、自分とマークの不安をリハーサルで取り除いていったように思います。
プロのスタントマン達だけでは 今までで一番ちゃんとリハーサルしたのかな?
(「ゼイラム」の頃も長かったけどプロとしては今一だったような???)
そんなこんなで約一ヶ月、絵コンテを描き、リハでビデオ撮っては スッタフの「なるほど』という信頼と「撮りきれるの?」という不安を与え(概ね 信頼だったと思うけど...)
クランクインを迎えるのでした。
続きはまた 近いうちに。